日本農薬学会誌 |
コムギ胚芽無細胞系を用いた昆虫脱皮ホルモン受容体タンパク質の合成
水口智江可,中川好秋,曽家義博,宮川 恒日本農薬学会誌 29, 189-194 (2004)
コムギ胚芽無細胞系を用いたタンパク質合成反応により,鱗翅目昆虫ニカメイガのecdysone receptor(EcR)およびultraspiracle(USP)タンパク質を調製し,その機能解析を行った.脱皮ホルモン応答配列をDNAプローブとして用いたゲルシフトアッセイの結果,合成したEcRおよびUSPタンパク質がヘテロ二量体を形成してプローブに結合すること,また,リガンドとの結合実験の結果,脱皮ホルモン様活性化合物がこのヘテロ二量体EcR/USPに,高い親和性で特異的に結合することが示された.また種々のN-tert-butyl-N,N'-dibenzoylhydrazine類縁体を含む脱皮ホルモン様活性化合物のEcR/USP二量体に対する結合活性値はニカメイガから抽出したタンパク質画分に対するそれらの結合活性値と一致していた.本研究から,機能を有する脱皮ホルモン受容体タンパク質が,コムギ胚芽抽出液を用いて効率よく合成できることが示された.
日本農薬学会
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