Vol. 27, No. 4(平成14年11月20日発行)

 本会記事

  I. 平成14年度第3回常任評議員会議事録
  IV. 平成15年度日本農薬学会賞受賞者選考委員会(第2回)議事録

 お知らせ

  「農薬の生態影響評価について」
  日本農薬学会21世紀記念シンポジウム(案)「テーマ:化学物質の内分泌かく乱作用に関する研究の現状と課題」
  第22回農薬サイエンチスト研究会のご案内


本会記事

I. 平成14年度第3回常任評議員会議事録

 日 時:平成14年9月28日(土)12:30?16:00
 場 所:日本植物防疫協会3階会議室
 出席者:11名

 議 事

 I. 前回議事録の確認

 II. 経過報告

 1. 常任編集委員会(H14.07.27):9/26時点の受付論文数は過去1年間で42編である.新読物企画では2001年の登録農薬及び失効農薬の一覧を27巻4号と28巻1号に掲載する.28巻からの表紙の図案は「畑」に,また,ロゴマークは「五角形」に決定した.また,表紙に「Green Science」という言葉と「2003」の年号を追加する事と,背表紙の色調について検討する事となった.
 2. 21世紀記念事業
  1) 基金:9月26日時点の募金集計は,企業団体から888万円,学会会員から572万円,緑の安全協からの支援金を含め約1760万円である.十分な活動のためにさらに100万円ほどを未募金の学会会員や企業に対して再度募金のお願いをする.
  2) 出版:「日本の農薬開発」は農薬学会の出版となる.12月中旬には出版できる計画である.
 「これからの作物・環境保護剤の研究開発」はソフトサイエンス社より来年3月に出版の予定である.
 「環境負荷化学物質の科学」の出版は大川秀郎氏が今後の進め方を検討する事となった.
 3. 第3回環太平洋農薬科学会議(2003):最新情報がホームページに掲載されている.候補者は多く申請されているが研究レベルを基にして選抜する.また,ポスター発表はできるだけ多く集める.米国側からは約50件ほど集まる予想である.基調講演者はダウ(株)と住友化学工業(株)の経営トップでほぼ確定している.その他,会議運営の一部をJTBコミュニケーションズに代えた事,登録の費用は円建てとすること,日本側のポスター発表も50件ほどを目標とすることが説明された.
 4. IUPAC2006:タイトルを「Evolution for Crop Protection, Public Health and Environmental Safety」として神戸で開催する(2006年8月6日?11日).スポンサーはIUPACと農薬学会で1000?1500名の参加者を,また,日本学術会議との共催を予定している.会議事務局は環太平洋農薬科学会議(2003)と同じくJTBコミュニケーションズに依頼する.
 5. 学会賞選考委員会:10月5日に第2回の委員会を開催する.奨励賞2件,業績賞2件,技術賞2件,論文賞1件の候補者について選考する予定である.学会賞の選考基準を他学会との比較の観点で再考する.
 6. 生態影響WG:生態影響評価に関して既に4回のWGを開催し,基本的考え方をまとめた.客観性を持たせるために外部識者より校閲を受けた.農薬学会HPに,9月30日掲載予定である.掲載した事を農薬工業会,関係団体へ案内する.また,本年4号学会誌の赤頁にも案内を掲載する.
 7. 環境委員会:内分泌かく乱作用問題に関して農薬学会も積極的に取り組まなくてはならないとの観点から,まずは2003年3月14日に「化学物質の内分泌かく乱作用に関する研究の現状と課題」に関してシンポジウムを開催する.一方,農薬学会は本問題について,研究成果の総括,試験法・評価法の検証,農薬学会大会での研究発表の推進,学会誌への投稿の促進など活動する必要があり,その一環としてそれらの活動を推進するためにWGを立上げる事が提案された.WGの立上げは承認され,常評でメンバーの選抜を検討する.
 8. 日本学術会議:日本学術会議では改革案が検討中であり,第19期より学術会議会員数等が変更される可能性が指摘された.日本学術会議の母体団体の会員数約73万人に対して現在会員は210名であるが,海外との比較では約2500人が会員として妥当な数である.
科研費審査委員として「植物病理」及び「生物生産化学・生物有機化学」の分野へ農薬学会より2名を推薦した.
第7回植物保護・環境シンポジウムが平成14年11月15日(金)に日本学術会議講堂で開催される.
学会事務局の事務およびホームページの維持管理を学会センターに依頼する事を検討する事となった.
 9. 会計報告:8月末時点で収入は予定通り進行している.
 10. 農薬学会第28回大会:平成15年3月21日から24日に名城大で開催される.学会誌第4号赤頁に案内を掲載する.

 III. 議 案
  1. 入退会の承認:退会者の内,学会賞受賞者の有無を確認する事となったが,他は承認された.
  2. 次期評議員選挙:日程について説明され,10月4日に投票用紙を発送,11月5日が投票締切,11月6日に開票を行う.候補者名簿は確認された.
  3. 農薬の残留分析の制度管理:輸入農作物の残留問題及び無登録農薬の使用が社会的問題になっており,農作物中の残留農薬の分析が重要となり分析機関への要請が非常に高まっている.このような時,農薬学会が社会的貢献を果たすために学会内に残留農薬の分析精度に関する委員会を設置し今後の方向性を検討する事が提案された.農薬学会が技術レベルの評価を行い,個人の技術に認定を付与する事はできるものと考え,その制度を検討することとなった.検討委員会のメンバーが提案され承認された.
  4. 広報活動:農薬学会がマスコミや一般消費者から種々質問を受けている.今後,外部からの質問に対して学会内で回答できるようにする事が重要であると位置づけ,そのシステムを構築する事が提案され,承認された.まずは,工業会の「Q and A」に関する小冊子を農薬学会の立場で検討すると同時に,回答者を選抜する作業に入る.

IV. 平成15年度日本農薬学会賞受賞者選考委員会(第2回)議事録

 第2回委員会は,平成14年10月5日(土)に日本植物防疫協会会議室において,安部浩委員長と10名の委員が出席して開催された.平成15年度の各賞の推薦は奨励賞3件2課題,業績賞(研究)3件2課題,業績賞(技術)2件2課題および論文賞1件1課題であった.選考基準に従って選考を行い,奨励賞2件,業績賞(研究)2件,業績賞(技術)2件,および論文賞1件の受賞候補者を決定した.


お知らせ

  「農薬の生態影響評価について」
  日本農薬学会21世紀記念シンポジウム(案)「テーマ:化学物質の内分泌かく乱作用に関する研究の現状と課題」
  第22回農薬サイエンチスト研究会のご案内


「農薬の生態影響評価について」

 科学的知見の充実の下に生態系の維持・保全をはかり,しかも,人類が他の生物とともに生態系の一員として持続可能な社会の発展をめざすことが,世界共通の課題であります.一方,食料の安定供給にとって不可欠な作物保護技術の一つとして,農薬の安全使用の重要性は言うまでもありません.しかしながら,農薬は微量で生理活性を有し,しかも,環境における拡散を完全に制御できない化学物質であります.したがって,さまざまな環境下における生態系の維持・保全を視野に入れ,農薬使用による生態影響を最小限にとどめる努力がなされねばなりません.
 日本農薬学会ではこれまで,「農薬環境科学研究会」および「農薬レギュラトリーサイエンス研究会」等の小集会において,定期的に農薬の生態影響評価に関する研究討論を重ね,また,年次大会においても具体的課題について研究成果が発表されてきました.これらの結果をふまえ,本学会は本年6月に「生態影響評価ワーキンググループ」を発足させ,科学的知見に基づいた農薬生態影響評価に関する考え方の現状を取りまとめて公表することとしました.
 今回,農薬生態影響評価の必要性,農薬毒性評価の歩み,国内および海外における取組みについて,本学会のホームページに掲載いたしました.今後,本学会の見解を順次,公表する予定です.本学会の見解に関して,皆様のご意見をお寄せ下さるようにお願い申し上げます.
平成14年9月 日本農薬学会

日本農薬学会21世紀記念シンポジウム(案)
「テーマ:化学物質の内分泌かく乱作用に関する研究の現状と課題」

 日 時:平成15年3月14日(金)午前10時30分?午後5時
 場 所:全農ホール 東京都千代田区大手町
 主 催:日本農薬学会
 共 催・後 援:
開催趣旨:「内分泌かく乱作用が疑われる」と指摘された化学物質の中で,作用機序には一部未解明の点が残るものの,有機スズやDDT類に野生生物への有害作用が確認されている.また,世界中の多くの研究者が積極的に内分泌かく乱作用の研究に取り組んでいるが,その作用の発現機構や評価方法など,未だ,解明されていないことも多い.これまでに公表されたデータにより内分泌かく乱作用がどこまで評価されうるのか,最終評価にいかなるデータが不十分で,どのような試験法によりそれらのデータを整備することができるのか,などの問題点を明らかにしておくことが重要である.今回は,内分泌かく乱作用に関する研究の現状と今後に向けた課題を討議し,化学物質の内分泌かく乱作用問題に対して如何に取り組むべきかといった考え方を整理する目的で,本シンポジウムを開催する.
1. 講演者と講演のタイトル
 (1) 宮本純之(国際純正応用化学連合環境問題上級顧問)
   「SCOPE/IUPAC内分泌活性物質国際プロジェクトの総括と今後の課題」
 (2) 内分泌かく乱作用の発現機構と生体における影響解析
 ? 田村廣人(名城大学農学部)
   「in vitro系を用いた内分泌かく乱作用の機構解明」
 ? 鈴木勝士(日本獣医畜産大学)
   「化学物質の繁殖に対する影響解析」
 (3) 環境中における内分泌活性物質の影響と動態
 ? 川合真一郎(神戸女学院大学)
   「野生生物に対する影響」
 ? 栗原紀夫((社)日本アイソトープ協会甲賀研究所)
   「生体及び環境中での動態」
2. 総合討論
司会:青山博昭((財)残留農薬研究所)
参加費・要旨集:2,000円.懇親会:5,000円予定
参加申込み:以下の申し込み先にFAX,E‐mailでお申し込みください.
 記載項目:氏名・所属・住所・TEL・FAX・懇親会参加希望
 申込先:(独)農業環境技術研究所有機化学物質研究グループ 上路雅子
 FAX: 029‐838‐8199(TEL: 029‐838‐8301)
 E‐mail: zueji@niaes.affrc.go.jp
 *関係者にもご回覧ください.



日本農薬学会

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