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Effects of methyl viologen dichloride and other chemicals on nitrous oxide (N2O) emission and repression by pseudomonad denitrifiers isolated from corn farmland soil in Hokkaido, Japan 亜酸化窒素(N2O)放出能をもつ土壌細菌に対し,かつて市販された除草剤およびトウモロコシ根に含まれる二次代謝産物に構造的に類似したN-複素環化合物の影響を調べた。N2O放出試験系において,北海道のトウモロコシ畑黒ボク土壌から分離した2株のPseudomonas属脱窒細菌,それぞれ上完全脱窒細菌である Pseudomonas sp. 10CFM5-1Bと完全脱窒細菌であるPseudomonas sp. 10CFM5-2B を用いた。2 µMのメチルビオロゲンジクロリド(商標吊パラコート)は,これらの脱窒細菌によるN2O生成を有意に抑制した。さらに,トウモロコシ根に含まれる抗菌性二次代謝産物6-methoxy-2-benzoxazolone (MBOA) は Pseudomonas属脱窒細菌によるN2O生成を10 µMで抑制した。Simazine (6-chloro-N,N'-diethyl-1,3,5-triazine-2,4-diamine) や amitrol (3-amino-1,2,4-triazole) 他の除草剤は2 μMないしは10 μM で Pseudomonas sp. 10CFM5-1B によるN2O生成を増進させた。これらの結果から、除草剤としての使用目的とは別に、メチルビオロゲンジクロリドは畑地土壌からのN2O放出を抑制していた可能性がある。Amitrolや他のトリアゾ—ル系薬剤を含む除草剤の幾つかは,逆に土壌からのN2O放出を活性化するポテンシャルを持っていた。 |