日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文24巻1号

2-クロロ-5-(3, 4, 5, 6-テトラヒドロフタルイミド)安息香酸エステルとその4-フルオロ置換体における植物毒性の比較

石田静香,飯田哲司,河野 均,佐藤幸治,久保博司,Peter Boeger,若林 攻

日本農薬学会誌 24, 28-32 (1999)

2-クロロ-5-(3, 4, 5, 6-テトラヒドロフタルイミド)安息香酸エステルとその4-フルオロ置換体のprotoporphyrinogen-IX oxidase(Protox)阻害活性と植物毒性活性(peroxidizing活性)を,トウモロコシ由来のエチオプラストから得たProtoxの阻害活性と単細胞緑藻 Scenedesmus acutus によるエタンの発生をそれぞれ指標として測定した.4-フルオロ置換体によるProtox阻害活性は2-クロロ-5-(3, 4, 5, 6-テトラヒドロフタルイミド)安息香酸エステルに比べほぽ同等か多少弱く,フッ素原子を有する化合物群はフッ素化されてない化合物群より強いperoxidizing活性(エタン発生)を示した.このことは我々が以前見いだした“フェニル環2位にフッ素原子を有する環状イミド系化合物はフッ素置換されていない類縁化合物よりperoxidizing活性は強いが必ずしもPmtox活性は強くない”という事実を補強するものであり,一般化するものである.


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