日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文24巻1号

新規ピラゾールカルボキサミド誘導体の合成と選択活性

小畑登紀夫,藤井勝利,舷城衛介,堤内清志,大岡 朗,水津 真,金築 祐

日本農薬学会誌 24, 33-37 (1999)

ピラゾール環を骨格とする新しい系統の化合物を合成し,その殺ダニ活性と魚毒性を調べた.N-フェノキシエチルピラゾール-5-カルボキサミド誘導体(III)に,ナミハダニに対する高い活性が認められた.しかしながら,メダカに対する毒性も高いレベルにあった.そこでN-フェノキシエチルピラゾール-5-カルボキサミド誘導体(III)を基にして,ハダニと魚間の活性選択性を得るために,N-アシル-N-フェノキシエチルピラゾール-5-カルボキサミド誘導体(IV)へと導いた.生物試験の結果,N-アシル化誘導体(lV)のいくつかの化合物に,高い殺ダニ活性を維持しながら,魚毒性の低い化合物を見出した.この選択活性は,N-アシル化誘導体(IV)のなかでピラゾール環の4位が無置換で,3位にtert-ブチル基が導入された時,最も大きかった.


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