日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文24巻2号

新規N-フタロイル-L-スレオニン類及びそれらの脱水フタルイミド類の合成と植物成長調節活性

片山正人,田中聰子

日本農薬学会誌 24, 170-176 (1999)

植物成長調節活性を有する新規N-フタロイル-L-スレオニン類(P-Thrs)及びそれらの脱水フタルイミド類(2-フタルイミド-2-ブテン酸,P-BTEAs)は容易に合成され,イネ幼植物に対して強い根の成長促進活性を示した.含成P-ThrやP-BTEA類のうちで,特に(Z)-2-フタルイミド-2-ブテン酸(P-BTEA),(Z)-2-(4-クロロフタルイミド)-2-ブテン酸(4-C1P-BTEA),(Z)-2-(3-フルオロフタルイミド)-2-ブテン酸(3-FP-BTEA)はイネ幼植物に対して特に強い根の成長促進活性を示した.それらの根の成長促進活性は1×10-4Mの濃度で対胴区の3.3〜3.7倍であった.何れのP-BTEAは元のP-Thrよりもイネ幼植物に対して強い根の成長促進活性を示した.一方,レタス幼植物に対しては4-C1-P-BTEAと4-Me-P-BTEAのみが1X10-4Mの濃度で弱い根の成長促進活性を示し,いくつかのP-ThrとP-BTEAは1X10-3Mの高濃度においては根および胚軸の壊死を引き起こした.


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