日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文24巻2号

ガスクロマトグラフィーによる土壊中の殺虫剤アセタミプリドおよび代謝物の分析法

時枝正則,小澤道弘,五明 健

日本農薬学会誌 24, 181-185 (1999)

新規殺虫剤アセタミプリド(E)-N1-[(6-chloro-3-pyridyl)methyl]-N2-cyano-N1-methylacetamidine(ATP)の土壌残留分析法(親法)およびATPとその土壌代謝物である(E)-N2-carbamoyl-N1-[(6-chloro-3-pyridyl)methyl]-N1-methylacetamidine(IM-1-2),N-methyl(6-chloro-3-pyridyl)methylamine(IM-1-4)および6-chloronicotinic acid(IC−0)の土壌残留分析法(総量分析法)を検討した.その結果,親法では土襲中のATPをメタノール・塩化アンモニウムで抽出後カラムクロマトグラフィー精製して,ガスクロマトグラフィー(GC)により定量する方法を確立した.他方,総量分析法では土壌中のATP及び代謝物をメタノール・塩化アンモニウム及びメタノール・水酸化ナトリウム混合液で抽出後,アルカリ加水分解及び過マンガン酸カリウム酸化,更にジアゾメタンによりmethyl 6-chloronicotinate(IC-0-Me)に誘導化してGCにより定量する方法を確立した.両分析法の検出限界は共に0.01ppm,添加回収率(1.2及び0.12ppm)は親法で平均100%,総量分析法で82%であった.


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