日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文24巻4号

Serratia marcescensの生産するプロディギオシンがハスモンヨトウに対するBacillus thuringiensis Cry1C内毒素の殺虫活性を増大させる

浅野昌司,荻原克俊,仲川洋治,鈴木一史,堀 秀隆,渡邊剛志

日本農薬学会誌 24, 381-385 (1999)

Serratia marcescensの培養上清に存在し,Bacillus thuringiensisのδ-endotoxin(Cry1C)のハスモンヨトウに対する殺虫活性を増大する活性物質を明らかにする目的で,キチナーゼ(A, B及びC1),キチン結合蛋白(CBP)及び赤色色素プロディギオシン(prodigiosin)について協力作用の有無を調べた.その結果検定物質のなかではプロディギオシンのみに致死活性と幼虫発育阻害活性において顕著な協力作用が認められた.S. marcescens培養上清と精製プロディキオシンの協力作用性は類似しており,さらに467 nmの吸光度から推定した上清中のプロディギオシンの含有量で協力効果を十分説明できることから上清中の協力作用はプロディキオシンによるものと推論された.


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