日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文25巻2号

Pattern and Rate of Dissipation of Pretilachlor and Mefenacet in Plow Layer and Paddy Water under Lowland Field Conditions: A Three-year Study
水田圃場の作土層と田面水中におけるプレチラクロールとメフェナセットの消失パターンと速度:3年間の圃場実験


Ferdinand F. FAJARDO, Kazuhiro TAKAGI, Masumi ISHIZAKA, Kenji USUI
Ferdinand F. FAJARDO,高木和広,石坂眞澄,臼井健二


日本農薬学会誌 25, 94-100 (2000)

1995年〜97年までの3年間,農環研水田圃場の田面水中と作土層中(0〜1,1〜5,5〜10cm)での除草剤プレチラクロール(PTC)とメフェナセット(MF)の消失パターンと速度を5月中旬〜7月初旬まで調査した.また,各薬剤の圃場中での半減期を一次反応速度式(SFOK)と2段階の一次反応速度式(BFOK)を用いて計算した.田面水と作土層中でのPTCとMFの消失パターンと速度はかなり異なっていた.この原因としては,PTCの水溶解度がMFに比べ10倍以上高いこととPTCの土壌中(特に還元層)での分解速度がMFに比べ速いことが考えられる.最上層0〜1cm(酸化層)では,PTCの消失速度は最初の3週間は速かったが,その後は速度が減速した.しかし,MFの場合,調査期間中の消失速度はほぼ一定であった.最上層でのPTCとMFの半減期はそれぞれ7〜10日,9〜11日であった.還元層である中・下層(1〜5,5〜10cm)では,最上層のPTCがリーチングし,散布後約2週目に最高濃度が検出され,その後急速に消失した.一方,MFでは,中・下層へのリーチングはPTCほど顕著ではなく,一定速度で緩やかに消失した.田面水中では,MF濃度は散布2〜3日後にピークに達した後急速に減少し,4週目以降消失速度は減速した.一方,PTC濃度は,散布1日後にピークに達しその後一定速度で減少した.田面水中でのPTCとMFの半減期はそれぞれ3.0〜3.6日,3.3〜4.1日であった.土壌中での薬剤消失速度を求める場合,消失速度が一定であるMFでは,SFOKを用いて満足な結果を得れるが,消失速度が変化するPTCでは,BFOKを用いた方がより高精度の値を得ること出来る.両薬剤の消失パターンと速度の調査年による違いは殆ど認められなかった


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