日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文25巻4号

Effect of Metominostrobin on Respiratory Activity of Rhizoctonia solani and Its Efficacy for Controlling Rice Sheath Blight
メトミノストロビンのイネ紋枯病菌の呼吸に及ぼす影響と防除効果


Tsuneo ICHIBA, Kinuko KUMANO, Hiromu KASHINO, Kenkichi NANBA, Akira MIZUTANI, Nobuo MIKI
市場常男,熊野きぬ子,樫野 弘,難波健吉,水谷 章,三木信夫


日本農薬学会誌 25, 398-401 (2000)

メトミノストロビン(SSF‐126)のイネ紋枯病菌の呼吸に対する作用特性および防除活性について検討した.本剤はイネ紋枯病菌菌糸(Rhizoctonia solani, isolate AG1-1A)の酸素消費を濃度依存的(EC50=1.8 µM)に阻害し,5 μM以上の濃度でその呼吸を完全に阻害したが,処理90分後には菌体の呼吸活性は回復した.この回復はflavone,flavanone等により完全に抑制されることから,本剤の防除効果には植物体成分の関与が示唆された.防除効果に及ぼす処理時期の影響について検討した結果,接種後処理に比較して接種前処理の防除効果が高く,病害発生前処理が有効であると考えられた.本剤のイネ葉鞘中濃度は処理一週間後まで経時的に上昇し,その後平衡を保った.また,本剤の防除活性は病原菌接種時の葉鞘中濃度に依存するが,2 ppmを超える葉鞘中濃度の増加は防除活性に寄与しないと思われた


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