日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文26巻1号

Synthesis of Antifungal 5-Anilino-1, 2, 4-oxadiazoles and 5-Anilino-1, 2, 4-thiadiazoles, and Their Inhibitory Effects on Fungal Sterol Biosynthesis
抗菌活性を有する5-アニリノ-1,2,4-オキサジアゾールと5-アニリノ-1,2,4-チアジアゾールの合成およびそのステロール生合成阻害活性


Izumi KUMITA, Atsushi NIWA
汲田 泉,丹羽 淳


日本農薬学会誌 26, 60-66 (2001)

種々の目的で合成された化合物ライブラリーについてin vitro 抗菌試験を行い,1,2,4‐オキサジアゾール誘導体の2化合物がT. mentagrophytesに対し比較的高い抗菌活性を示すことを見出した.これらの化合物は顕微鏡観察において菌糸の縮れた特徴的な形態変化を伴う生育抑制を示した.さらに,薬剤を処理したCandida菌体のステロールの分析をガスクロマトグラフィーにより行うと,スクワレンの顕著な蓄積がみられ,スクワレンエポキシダーゼを阻害しているものと思われた.これらの化合物をリード化合物として合成展開を図り,3-(2,6-ジクロルフェニル)-5-フェニルアミノ-1,2,4-チアジアゾール類を見出した.これらの化合物はT. mentagrophytesB. cinereraに対して高い抗菌活性を示すと同時に,それに対応した強いスクワレンエポキシダーゼ阻害活性を示した.新しく見出されたチアジアゾール誘導体は第3のタイプのスクワレンエポキシダーゼ阻害剤であり,リード化合物としてさらに興味がもたれる.


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