日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文26巻3号

Prediction of Pesticide Behavior in Paddy Field by Water Balance on the Water Management Using Pesticide Paddy Field Model (PADDY)
水収支を考慮した農薬水田圃場モデル(PADDY)による農薬の動態予測


Keiya INAO, Yasuo ISHII, Yuso KOBARA, Yasuo KITAMURA
稲生圭哉,石井康雄,小原裕三,北村恭朗


日本農薬学会誌 26, 229-235 (2001)

水田中での農薬濃度予測モデルとして開発したPADDYについて,水管理や気象要因等の環境条件から水田における水収支を計算して農薬動態の予測が可能な数理モデルの改良を行った.改良したモデルの検証を行うため,水田圃場に除草剤モリネートとシメトリンを散布して,水田水中及び土壌中の農薬濃度を経時的に測定した.水管理は水深を一定に保持して,落水や掛け流しを行わない止水管理及び一定の流量で用水を流入する掛け流し管理をして,水収支の異なる条件で試験した.水田水の農薬濃度は施用後短時間内(<1日)で両区での相違はみられなかったが,時間が経つと掛け流し区が止水区に比較してその濃度は低くなった.改良したモデルは圃場の水管理や降雨等の気象要因を考慮した水田の水収支を把握することにより,水収支の異なる条件下における農薬の消長をほぼ予測することができた.


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