日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文27巻1号

Mechanisms of Selective Action of a Protoporphyrinogen IX Oxidase-Inhibiting Herbicide Pyraflufen-ethyl between Wheat (Triticum aestivum) and Cleavers (Galium aparine)
プロトポルフィリノーゲンIXオキシダーゼ阻害型除草剤ピラフルフェンエチルのコムギとヤエムグラに対する選択性発現機構


Shinji MURATA, Aki YAMASHITA, Yukio KIMURA, Kazuhiko MOTOBA, Tsutomu MABUCHI, Yuzo MIURA
村田伸治,山下亜紀,木村幸夫,元場一彦,馬渕 勉,三浦友三


日本農薬学会誌 27, 47-52 (2002)

広葉雑草,特にヤエムグラに対して卓効を示す新規ムギ用除草剤であるピラフルフェンエチル[ethyl 2-chloro-5-(4-chloro-5-difluoromethoxyl-1-methylpyrazol-3-yl)-4-fluorophe-noxyacetate]のコムギとヤエムグラに対する選択性発現機構を解明するために,本化合物のProtox阻害活性ならびに本化合物を茎葉処理した時のProto IXの蓄積量,本化合物の葉面付着,吸収および代謝を両植物間で比較した.また,植物代謝物のProtox阻害活性を測定した.ピラフルフェンエチルの標的酵素である葉緑体由来Protoxの感受性には両植物間に差が認められなかったが,本化合物の茎葉処理によりヤエムグラにのみProto IXが顕著に蓄積した.茎葉処理した本化合物の葉面付着と葉身中への吸収はコムギと比較してヤエムグラで顕著に多く,吸収された本化合物に対する解毒代謝能はコムギに比較してヤエムグラでは極めて小さかった.これらの違いにより,選択的除草活性が発現していると考えられた.


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