日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文27巻1号

Chemical Identification of Fusicoccins from a Japanese Isolate Niigata 2 of Peach Fusicoccum Canker Fungus (Phomopsis amygdali) and Production of 3'-Deacetylfusicoccin A by the Fungus
モモ枝折病菌(Phomopsis amygdali)Niigata 2からのフシコクシン類の化学的同定とそれによる3'-デアセチルフシコクシンAの生


Naoto TAJIMA, Hiroko KUME, Satoko KANEMATSU, Nobuo KATO, Takeshi SASSA
田島直人,久米寛子,兼松聡子,加藤修雄,佐々武史


日本農薬学会誌 27, 64-67 (2002)

新潟県で分離されたモモ枝折病菌Niigata 2株は,Phomopsis amygdaliと分類され,この人工培養液から強い植物ホルモン様作用を有するフシコクシンA(FC A)とその3'‐デアセチル体である3'‐デアセチル‐FC Aを単離・同定した.これはフシコクシンを本邦産の糸状菌から同定した最初の例である.さらに,本菌の振盪培養におけるフシコクシン類の生産性について,主に培地成分の炭素源と窒素源の検討を行い,5%市販砂糖‐0.7%ソイビーンミール‐0.5% KHPO-0.1% MgSO・7HO培地を用いることにより,主成分の3'‐デアセチル‐FC Aを生産量275µg/mlで得た.次にNiigata 2-A株による同培地を用いた培養で3'‐デアセチル‐FC Aを生産量700µg/mlで得ることに成功した.また,この培養過程において,本菌はFC A,iso-FC A 及びFC Jも生産していることを明らかにした.


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