日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文27巻3号

Synthesis of Alkylene-Tethered Bis-Imidacloprid Derivatives as Highly Insecticidal and Nerve-Exciting Agents with Potent Affinity to [3H] Imidacloprid-Binding Sites on Nicotinic Acetylcholine Receptor
高い殺虫・神経興奮活性およびニコチン性アセチルコリン受容体でのイミダクロプリド結合部位への親和性をもつアルキレンビスイミダクロプリドの合成


Shinzo KAGABU, Kazuko IWAYA, Hiroki KONISHI, Aki SAKAI, Yuki ITAZU, Kazuhisa KIRIYAMA, Keiichiro NISHIMURA
利部伸三,岩屋和子,小西弘樹,酒井有規,桐山和久,西村勁一郎


日本農薬学会誌 27, 249-256 (2002)

アルキレン鎖(Cn: n=2〜10),およびフェニレン,C=C,C=Cおよびエーテル結合を介在したアルキレン鎖で連結されたビスイミダクロプリドを合成した.これらのクロロニコチニル2量体化合物は,注射法によるワモンゴキブリに対する殺虫試験において,最少致死薬量が2〜30ナノモルと非常に高い活性を示した.その中で一番効果の高かったヘキサメチレン化合物の活性は,イミダクロプリドとほぼ同等であった.しかし代謝阻害剤の併用によりイミダクロプリドでは約35倍活性が上昇したのに対し,ヘキサメチレン化合物では8倍にすぎなかった.イエバエ頭部膜画分の[3H]イミダクロプリド結合ニコチン性アセチルコリン受容体への結合実験では,ヘキサメチレン化合物のIC50 値はイミダクロプリドの160倍であり,それだけ結合活性は弱かった.ゴキブリ中枢神経に対しては,最初興奮を誘起したのち遮断効果をもたらした.その効果の発現状況の変化は,イミダクロプリドの場合とほぼ同等であった.


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