日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文27巻4号

Effect of Soil Characteristics on Atrazine and Linuron Adsorption
アトラジンとリニュロンの吸着に影響する土壌の理化学的性質


Munehiro EBATO, Kenichi MATSUMURA, Koyo YONEBAYASHI
江波戸宗大,松村賢一,米林甲陽


日本農薬学会誌 27, 337-346 (2002)

除草剤の吸着に影響する土壌の理化学的性質を明らかにするため,「吸着割合(AR)」を用いた.ARの計算式は以下のとおりである;AR(%)=(土壌1kgに対する除草剤の吸着量)/(土壌1kgに対する除草剤の初期投入量)×100.除草剤の初期投入量を5水準設けてARを分布(DAR)にまとめ,アトラジンとリニュロンの吸着のしやすさと吸着容量を日本の土壌42点について評価した.アトラジンとリニュロンのDARを多変量解析すると,双方とも土壌を6グループに分類できた.各グループについて理化学的性質の影響を検討した結果,双方とも有機物因子(OM)の寄与が最も高かった.しかし,理化学的性質の影響がアトラジンとリニュロンの場合で異なり,土壌の分類パターンは異なっていた.塩基飽和度が高い土壌では,アトラジンの初期投入量が多くなるにつれてARが急激に減少した.そのような土壌ではアトラジンの吸着容量が少ないことをDARで示せた.


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