日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文28巻1号

Light Induction of 1-Aminocyclopropane-1-carboxylic Acid Synthase Activity in Quinclorac-Treated Maize Seedlings
Quinclorac処理されたトウモロコシ幼植物体における1-アミノシクロプロパン-1-カルボン酸(ACC)合成酵素活性の光誘導


Yukari SUNOHARA, Mari KOBAYASHI, Hiroshi MATSUMOTO
春原由香里,小林真理,松本 宏


日本農薬学会誌 28, 18-23 (2003)

Quincloracは感受性広葉植物に対してはオーキシン剤と類似の症状・作用を示すが,感受性イネ科植物に対してはオーキシン剤様の作用を示さず,その作用機構の詳細は未だ解明されていない.近年,著者らは,感受性イネ科植物であるトウモロコシの葉片にquincloracを処理した場合,光照射下で特異的にエチレン発生やクロロシスが引き起こされることを見出した.本研究では,quinclorac処理後のトウモロコシ幼植物体の生育阻害作用における光の関与の有無(無傷個体レベルでの検討),エチレンの役割,さらにACC合成酵素活性に及ぼす光の影響について検討した.その結果,幼植物体においても光照射下でquincloracによる新鮮重増加の抑制,葉部におけるクロロフィル含量や水分含量の低下,乾燥重の減少,さらにはエチレン生成の活性化が認められた.また,クロロフィル含量や水分含量の低下はNBD(エチレン作用阻害剤)処理で回復したことから,その阻害作用におけるエチレンの関与が示唆された.さらに,quinclorac処理後のエチレン量の増加には,処理約6時間後から認められるACC合成酵素活性の光誘導が関与している可能性があることが示唆された.


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