日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文29巻1号

Secondary Structure Prediction of Acetolactate Synthase Protein in Sulfonylurea Herbicide Resistant Limnophila sessiliflora
スルホニル尿素系除草剤抵抗性キクモのアセト乳酸合成酵素の二次構造推定


Ying Lin, Guang-Xi Wang, Wei Li, Misako Ito
林  影,汪 光熙,李  偉,伊藤操


日本農薬学会誌 29, 1-5 (2004) [抄録/PDF]

アセト乳酸合成酵素(acetolactate synthase, ALS)を作用点とするスルホニル尿素系除草剤は,世界各国で広く利用されているが,雑草に抵抗性生物型が発現しやすいこともよく知られている.本研究では,スルホニル尿素系除草剤抵抗性がすでに報告されている水田雑草キクモを用い,その抵抗性と感受性両生物型のALS遺伝子を部分的に単離して,両生物型のアミノ酸配列とタンパク質の構造を比較した.その結果,アミノ酸のドメインAのプロリン部位において感受性生物型ではプロリンが保存されていたのに対して,抵抗性生物型では別のアミノ酸(グルタミン)に置換されたことがわかった.また,数種ソフトを用いた解析により,ALS遺伝子のポイントミューテーションに伴う二次構造の変異も推定できた.キクモのスルホニル尿素系除草剤抵抗性機構にはこのような変異が関わっていると考えられる.


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