日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文29巻1号

Preparation of Alkylene-Tethered Acyclic Divalent Neonicotinoids and Their Insecticidal and Neuroblocking Activities for American Cockroach (Periplaneta americana L.)
アルキレン連結非環状二価ネオニコチノイド化合物の合成とワモンゴキブリに対する殺虫および神経伝達遮断活性


Shinzo Kagabu, Yuki Itazu, Keiichiro Nishimura
利部伸三,板津友紀,西村勁一郎


日本農薬学会誌 29, 40-42 (2004) [抄録/PDF]

1位が6-chloro-3-pyridylmethylまたは2-chloro-5-thiazolyl methylで置換された2-nitroimino-3-guanidinyl基を両端に擁するアルキレン(C4‐C8,C12)およびパラキシレン誘導体を合成した.ワモンゴキブリに対する注射法による殺虫活性の強さは,最小致死薬量(MLD)としてはいずれの化合物も110 nmol以上で顕著ではなかったが,代謝阻害剤ピペロニルブトキシドとNIA16388を併用することにより上昇し,数種類の化合物のMLD値を求めることができた.これらのMLDの値とアルキレン鎖長との間には規則的な関係はみられなかったが,ヘキサメチレン体は特に強い殺虫活性を示し,クロロピリジルとクロロチアゾリル置換体のMLDはそれぞれ25.7および85.1 nmolであった.ゴキブリの腹部中枢神経索を用いた神経伝達遮断活性の強さはおおよそ殺虫活性と平行した関係を示し,上記した2種類のC6化合物はそれぞれ26.3および14.8 µMであり,他の鎖長アルキレン誘導体の1/10以下の濃度で遮断活性を示した.


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