日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文29巻1号

畑土壌中のクロロタロニル消失過程における炭素同位体分別

山 本 幸 洋,田 中 福 代,藤 原 伸 介,松 丸 恒 夫

日本農薬学会誌 29, 53-56 (2004) [抄録(英文)/PDF(和文)]

環境中の農薬の炭素同位体分別の存在を確認するため, 畑土壌における農薬の炭素安定同位体自然存在比の経時変化を測定した. 共試薬剤のクロロタロニル(2,4,5,6-tetrachloro-1,3-isophthalonitrile)を淡色黒ボク土に添加(0.5 mg/10 g)し, 暗黒条件下, 30℃で70日間培養した. クロロタロニルのδ13C値は, 培養期間中に-26.5‰から-22.5‰にまで上昇した. このときの濃縮係数は, -2.6‰であった. 以上から, 畑土壌における本薬剤の消失過程において炭素同位体分別が生じていることが確認された.


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