Analysis of Phthalide, Fenobucarb and Inabenfide in Unpolished Rice Using Selective Gel Permeation Chromatography
ゲル浸透クロマトグラフィー（GPC）の選別分画法を用いた玄米中フサライド，フェノブカルブおよびイナベンフィドの分析

Isao Saito, Eiji Ueno, Harumi Oshima, Hiroshi Matsumoto
斎藤　勲，上野英二，大島晴美，松本　浩

日本農薬学会誌 29, 117-120 (2004) [抄録/PDF]

玄米中フサライド，フェノブカルブ，イナベンフィドの精製法としてGPCによる選別分画法を検討した．粉砕した玄米を水で膨潤後，アセトニトリル抽出，食塩を加え塩析後，アセトニトリル層を濃縮した．酢酸エチルに溶かし脱水後濃縮し，残渣はアセトン/シクロヘキサンに溶解後，GPCカラムに負荷した．フェノブカルブ，イナベンフィド，フサライドの各画分をとり濃縮し，追加精製なしにフェノブカルブはNPD-GC，イナベンフィドはHPLC，フサライドはECD-GCで分析した．GPCカラムからの溶出時間のばらつきはRSD 1%以下と再現性は良好であった．農薬全画分のクロマトグラムと比較しても，3農薬の各画分には妨害となるピークは見られず，更なる精製操作もなく分析可能であった．検出限界は，フェノブカルブ，イナベンフィドが0.01 ppm，フサライドが0.005 ppmであった．添加回収実験はフェノブカルブ98%，イナベンフィド90%，フサライド81%と良好な回収率であり，RSDも10%以下と日常の個別分析には十分応用可能であった．