日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文30巻1号

Inhibitory Activity of Indanofan and Its Enantiomers on Biosynthesis of Very-Long-Chain Fatty Acids
インダノファンとその鏡像異性体による超長鎖脂肪酸生合成の阻害


Sachio Kato, Akira Tanaka, Hiroyuki Watanabe, Yukiharu Sato, Yumi Ikeda, Peter Böger, Ko Wakabayashi
加藤祥生,田中 彰,渡邊博之,佐藤幸治,池田佑美,Peter Böger,若林 攻


日本農薬学会誌 30, 7-10 (2005) [抄録/PDF]

除草剤インダノファン((R,S)-2-[2-(3-chlorophenyl)oxiran-2-ylmethyl]-2-ethylindan-1,3-dione)の絶対構造と無細胞レベルにおける超長鎖脂肪酸(VLCFA)生合成阻害との関係を明らかにするために,S-対掌体,R-対掌体およびラセミ体のVLCFA生合成への影響をネギ(Allium porrum)のミクロソームを用いて試験した.その結果,ステアリン酸(C18:0酸)からアラキジン酸(C20:0酸)への伸長に対するS-体,R-体,ラセミ体のI50値は,それぞれ1.7×10-8 M, >10-3 M, 3.0×10-8 M,C20:0酸からベヘン酸(C22:0酸)への伸長に対しては2.5×10-8 M, >10-3 M, 7.0×10-8 Mであった.また,S-体は,C18:0酸からC20:0酸への伸長およびC20:0酸からC22:0酸への伸長に対してラセミ体より2,3倍の阻害活性が認められたが,R-体はほぼ無活性であった.このことより,S-体のみがC20:0酸およびC22:0酸への伸長を阻害することが明らかとなった.


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