日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文30巻1号

Tests for Evaluating the Side Effects of Chlorothalonil (TPN) and Spinosad on the Parasitic Wasp (Aphidius colemani)
寄生バチであるコレマンアブラバチに対するクロロタロニル(TPN)とスピノサドの影響評価試験


Yoshiyuki Takahashi, Toshiki Kojimoto, Hiroyuki Nagaoka, Yutaka Takagi, Masahiko Oikawa
高橋義行,柑本俊樹,長岡広行,高木 豊,及川雅彦


日本農薬学会誌 30, 11-26 (2005) [抄録/PDF]

標的外昆虫への農薬の影響を把握するため天敵昆虫の一種であるコレマンアブラバチを供試し,市販のELISAキットを用いてアブラバチ個体ごとのクロロタロニル(TPN)と スピノサドの暴露量を計測した.TPNは登録濃度を直接散布しても,TPNのドライフィルムへ接触暴露しても,また経口暴露してもアブラバチに影響を示さなかった.一方,スピノサドでは,経口暴露,ドライフィルムや葉面への暴露によってアブラバチが死亡した.スピノサドの葉面付着量とアブラバチの死亡率の関係から,スピノサドの葉面上における潜在的な致死暴露量は約0.2 mg/cm2以上と推察された.これはイチゴ葉における残留毒性試験の結果からも支持された.また,この致死暴露量に接触して死亡したアブラバチ個体から最小約0.1 ngのスピノサドが検出された.


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