日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文30巻1号

Effects of Pyridalyl, a Novel Insecticidal Agent, on Cultured Sf9 Cells
新規殺虫剤ピリダリルの昆虫由来培養細胞Sf9に対する毒性


Shigeru Saito, Noriyasu Sakamoto, Kimitoshi Umeda
斎藤 茂,坂本典保,梅田公利


日本農薬学会誌 30, 17-21 (2005) [抄録/PDF]

鱗翅目昆虫由来培養細胞Sf9に対する新規殺虫剤ピリダリルおよび各種化合物の作用を調べた.その結果,既知の各種細胞毒性物質が10 μmでSf9の増殖を顕著に抑制したのに対し,細胞毒性を示さない殺虫剤は顕著な作用を示さなかった.本試験系においてピリダリルは0.01 μMでもSf9の増殖を抑制した.また,ピリダリルの類縁化合物を合成して殺虫活性とSf9に対する毒性を検討したところ,殺虫活性を示す化合物はSf9に対しても毒性を示した.以上から,本試験系は細胞毒性の検出に有効であり,ピリダリルのSf9に対する毒性は殺虫活性に関与している可能性が高いと考えられた.さらに,ミトコンドリア呼吸に対する影響を調べたところピリダリルは電子伝達系阻害および脱共役作用は示さないことが明らかとなった.


Back