日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文30巻1号

Induction of Resistance against Rice Bacterial Leaf Blight by 3-Chloro-1-methyl-1H-pyrazole-5-carboxylic Acid
3-Chloro-1-methyl-1H-pyrazole-5-carboxylic acidによるイネ白葉枯病抵抗性の誘導


Masanori Nishioka, Hideo Nakashita, Michiko Yasuda, Shigeo Yoshida, Isamu Yamaguchi
西岡正憲,仲下英雄,安田美智子,吉田茂男,山口 勇


日本農薬学会誌 30, 47-49 (2005) [抄録/PDF]

3-クロロ-1-メチルピラゾール-5-カルボン酸(CMPA)は強い抗イネいもち病活性を有しているが,本剤は土壌潅注処理によりイネ白葉枯病に対しても高い発病抑制効果を示した.この効果は濃度相関的であり,そのレベルは0.5 mg/ポットにおいてアシベンゾラル-S-メチルまたはプロベナゾールと同等以上であった.しかし,in vitroにおいてCMPAは1 mg/mlでもイネ白葉枯病菌の増殖を阻害しなかった.CMPAを0.5 mg/ポット処理したイネ葉において抵抗性遺伝子の1つであるPBZ1遺伝子の発現が認められた.以上の結果から,CMPAは,タバコと同様にイネにおいても全身獲得抵抗性を誘導する可能性が示唆された.


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