日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文30巻3号

Monitoring of the Sensitivity of Magnaporthe grisea to Metominostrobin 2001-2003: No Emergence of Resistant Strains and No Mutations at Codon 143 or 129 of the Cytochrome b Gene
2001年-2003年のイネいもち病菌圃場採集菌におけるメトミノストロビン感受性:抵抗性菌株の出現は無く,シトクロムb遺伝子コドン143あるいは129の塩基配列に変異はみられない


Yasuo Araki, Minoru Sugihara, Haruko Sawada, Hiroyuki Fujimoto, Michio Masuko
新木康夫,椙原 穂,沢田治子,藤本博之,益子道生


日本農薬学会誌 30, 203-208 (2005) [抄録/PDF]

QoI剤メトミノストロビン(オリブライト®)は1998年にイネ病害防除剤として登録を取得,1999年に使用が開始されて以来,いもち病に対する効果の低下は報告されていない.1999年にメトミノストロビン剤使用開始前に圃場より分離した6菌株をポット試験に供試し算出したEC50値(ベースライン)は0.65-11.8 μg/ml,平均値3.3 μg/mlであった.2001-2003年にかけて,メトミノストロビン剤が使用されている地域の圃場からいもち病菌90菌株を採集し,56菌株をポット試験に供試してメトミノストロビンに対する感受性変化を調査した.その結果,メトミノストロビン剤の使用来歴の有無に関わらずEC50値は<0.1-9.4 μg/mlと算出され,ベースラインと比較して感受性の低下は認められなかった.さらに1999年採取の6菌株を含む圃場からの分離菌96株についてQoI耐性の原因となるcytochrome b遺伝子コドン143, 129の変異の有無をPCR-RFLPにより調べた結果,変異は検出されなかった.


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