日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文30巻4号

Effects of Pyridalyl on ATP Concentrations in Cultured Sf9 Cells
ピリダリルがSf9培養細胞のATP濃度におよぼす影響


Shigeru Saito
斎藤 茂


日本農薬学会誌 30, 403-405 (2005) [抄録/PDF]

各種細胞毒性物質がSf9培養細胞中のATP濃度におよぼす影響を比較検討した.その結果,ミトコンドリア呼吸に作用することが知られているアセキノシル(10 μM),クロルフェナピル(1.0〜10 μM),フェンピロキシメート(0.01〜1.0 μM),ロテノン(0.1〜10 μM),CCCP(0.1〜1.0 μM),オリゴマイシン(0.1〜10 μM)は,それぞれ処理後Sf9細胞のATP濃度を速やかに減少させた.核酸生合成を撹乱して細胞毒性を示す5-フルオロウラシル(0.1〜10 μM)はSf9細胞のATP濃度に影響を及ぼさなかった.タンパク生合成阻害作用を示すアニソマイシン(10 μM)は,処理後ATP濃度は上昇した.殺虫作用機構未知のピリダリル(0.1〜10 μM)は,Sf9細胞のATP濃度を徐々に減少させたが,そのタイムコースは上記の物質を処理した場合とは異なり,細胞毒性発現機構はそれらとは異なると考えられた.


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