日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文31巻1号

Screening and partial characterization of inhibitors of insect β-N-acetylglucosaminidase
昆虫のβ-N-acetylglucosaminidaseに対する阻害剤の探索および部分的性状解析


Hirokazu Usuki, Teruhiko Nitoda, Toru Okuda, Hiroshi Kanzaki
臼木博一,仁戸田照彦,奥田 徹,神崎 浩


日本農薬学会誌 31, 41-46 (2006) [抄録/PDF]

新規昆虫発育制御物質開発の観点から,昆虫のβ-N-acetylglucosaminidase(GlcNAcase)に特異的な酵素阻害剤のスクリーニングを行い,糸状菌4菌株および,放線菌4菌株に活性物質を見出した.これらの菌株のうち放線菌4菌株が生産する活性物質は,昆虫GlcNAcaseを強く阻害するにも拘わらず,それ以外の生物種由来のGlcNAcaseを全く阻害しなかった.一方,糸状菌4菌株が生産する活性物質は,昆虫,ほ乳類,植物,糸状菌由来のGlcNAcaseを全て阻害した.このような昆虫特異的なGlcNAcase阻害剤の存在については本研究が初めての報告である.さらにこの事実は,昆虫のGlcNAcaseが,他の生物種由来のGlcNAcaseとは異なる性質を有している可能性を強く示唆するものである.


Back