日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文31巻2号

Resistance buster compounds for MBI-D insensitive rice blast fungus -Inquiry on effective compounds among derivatives of MBI-D fungicides-
MBI-D耐性いもち病菌打破化合物の研究―MBI-D殺菌剤誘導体からの有効化合物の探索―

Yoshio Kurahashi, Shinzo Kagabu, Naoki Yamada, Yu Mitsugi, Maiko Shimizu, Masayoshi Nakasako, Isamu Yamaguchi
倉橋良雄,利部伸三,山田直樹,三津木 佑,清水麻衣子,中迫雅由,山口 勇

日本農薬学会誌 31, 85-94 (2006) [抄録/PDF]

カルプロパミドのアミン部位と酸部位を改変することによってMBI-D型いもち剤耐性菌株に有効な化合物を目標にデザインした.最初にカルプロパミドの1-フェニルエチルアミンを2-フェニルエチルアミンに置換することで,耐性菌に対する活性の上昇が認められた.アミン部位のかさ高さを減少させる目的で,2-フェニルエチルアミンのベンゼン環をより小さなチオフェンで置き換えたところ,耐性,感性の菌株に対しさらなる活性の上昇が得られた.それらチオフェン誘導体のうち,5-クロロ-3-エチルチオフェン誘導体が最も高い効果を示した.今後複素5員環誘導体のいもち病に対する構造活性相関の研究を通し,耐性菌のみならず感性菌にも高い効果を示す耐性打破化合物の発見が期待される.


Back