日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文31巻2号

Applicability of ELISA in pesticide monitoring to control runoff of bensulfuron-methyl and simetryn from paddy fields
水田からのベンスルフロンメチルとシメトリンの流出削減のためのELISA法を用いた農薬動態モニタリングの有用性

Hirozumi Watanabe, My Hoang Tra Nguyen, Souphasay Komany, Son Hong Vu, Yuriko Asami, Thai Khanh Phong, Julien Tournebize
渡邊裕純, My Hoang Tra Nguyen, Souphasay Komany, Son Hong Vu, 浅見ユリ子, Thai Khanh Phong, Julien Tournebize

日本農薬学会誌 31, 123-129 (2006) [抄録/PDF]

定期的灌漑(プロット1)と常時灌漑(プロット2)による水田でのベンスルフロンメチルとシメトリンの田面水中動態のモニタリングを行い,代替分析法としてのELISAキット有用性を評価した.シメトリンの田面水中の濃度は,プロット1,プロット2でそれぞれ1日後の748, 670 mg/lを最高に以後指数的に減少した.シメトリン用のキットによる分析値(測定可能範囲:3,50 mg/l)はGCでの分析結果の0.79倍であった.ベンスルフロンメチルの田面水中の濃度は,プロット1,プロット2,プロット2の水尻でそれぞれ1日後の77, 74, 81 mg/lを最高に以後指数的に減少した.ベンスルフロンメチル用のキット(測定可能範囲:0.03,0.3 mg/l)は,0.4 mg/l以下の濃度で水田での場所的変動を把握することが可能である.ELISA法は両農薬において水管理の違いによる水田からの流出量の違いを顕著に示した.また,ELISA法は水田からの農薬流出削減のための水管理の評価において有用であると考えられる.


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