日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文31巻2号

Synthesis and plant growth-regulating activities of L-lactic acid derivatives of 4-chloroindole-3-acetic acid
4-クロロインドール-3-酢酸のl-乳酸誘導体の合成と植物成長調節活性

Eiji Kageyama, Masato Katayama, Yuko Masui, Koji Kageyama, Youichi Kawabata
景山英治,片山正人,増井裕子,景山幸二,川端洋一

日本農薬学会誌 31, 130-138 (2006) [抄録/PDF]

4-クロロインドール-3-酢酸(4-Cl-IAA)の遊離およびエステル化l-乳酸誘導体を4-Cl-IAAとl-乳酸またはそのエステル体から2つの経路により合成した.これらの生物活性を,3種の生物試験(白菜の下胚軸成長阻害,ケツルアズキの胚軸膨潤・側根形成,およびケツルアズキ挿し穂を用いた不定根形成)で調べた.その結果,全てのエステル類は,これらの試験で強い活性を示したが,最初の2つの試験では4-Cl-IAAよりは活性が弱かった.しかし,挿し穂を用いた試験では,いくつかのエステルは,4-Cl-IAAより強いか,あるいは同等の根形成活性を示し,1×10-5 Mの濃度では,それらのエステルによって誘導された根数は4-(3-インドール)酪酸(IBA)の約2,4倍であった.しかしながら,フリーの乳酸体の活性は,全ての生物試験において乳酸誘導体の中で最も弱かった.4-Cl-IAAのl-乳酸やそのエステル類への変換は,ケツルアズキ挿し穂を用いた発根試験における4つのエステルを除き,その活性を減少させた.


Back