日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文31巻3号

Thiadiazole carboxylic acid moiety of tiadinil, SV-03, induces systemic acquired resistance in tobacco without salicylic acid accumulation
チアジニル分解物SV-03はタバコにおいてサリチル酸の蓄積を伴わずに全身獲得抵抗性を誘導する


Michiko Yasuda, Miyuki Kusajima, Masami Nakajima, Katsumi Akutsu, Toshiaki Kudo, Shigeo Yoshida, Hideo Nakashita
安田美智子,草島美幸,中島雅巳,阿久津克己,工藤俊章,吉田茂男,仲下英雄


日本農薬学会誌 31, 329-334 (2006) [抄録/PDF]

抗いもち病農薬チアジニル(TDL)は,サリチル酸(SA)の蓄積を介して誘導される全身獲得抵抗性(SAR)を誘導することがタバコにおいて明らかにされている.本研究では,イネにおいてTDLの代謝物として検出されるSV-03について,タバコを用いてSAR誘導効果およびSAR誘導経路上における作用点の解析を行った.SV-03はタバコに感染するウイルス(タバコモザイクウイルス)およびバクテリア(Pseudomonas syringae pv. tabaci)に対する病害抵抗性増強効果を示し,さらにSARマーカー遺伝子の発現を誘導した.この結果から,SV-03がTDLと同様にSAR誘導化合物であることが示された.SV-03の灌注処理はSAの蓄積を誘導せず,さらに,SA蓄積を阻害したNahG形質転換タバコにおいてもSAR誘導効果を示したことから,SV-03がSAR誘導経路上のSAより下流に作用するSAR誘導化合物であることが明らかとなった.


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