日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文31巻3号

地域特産農作物の残留農薬基準設定および登録農薬確保のための農作物の類型化―うり科野菜類(II)

殷 熙洙,荒尾知人,外窪周子,遠藤正造,上路雅子,石井康雄

日本農薬学会誌 31, 349-355 (2006) [PDF]

うり科野菜類における農薬の残留特性を水に難溶性の4農薬(イプロジオン,クロルフェナピル,トリプルミゾール,ペルメトリン)について調査した.キュウリ,ズッキーニ,ニガウリを2カ所ずつで栽培し,これらに4農薬の市販製剤の混合液を1回散布し,1,3,7,14日後に果実を収穫し,残留農薬濃度をGCにより測定した.イプロジオン,クロルフェナピル,トリフルミゾール,ペルメトリンのウリ科3試験作物における散布1日後の付着濃度はそれぞれ1.2〜2.1, 0.09〜0.21, 0.17〜0.32, 0.17〜0.28mg/kgであり,6つの異なる条件で試験を実施したにもかかわらず近似した値が得られ,これらの残留農薬濃度はキュウリおよびその他のうり科野菜の残留農薬基準を十分に下回った.また,減衰速度も作物種間で大きな差異はなく,キュウリにおける農薬の残留特性からニガウリ,ズッキーニへの農薬の残留特性を推定することが十分に可能であった.


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