日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文31巻4号

Comparison of pest detection in two persimmon cultivation methods
二種類のカキ栽培法における葉上の病害虫探索作業の比較


Kenichi Komeda, Masateru Inoue, Kanji Ueki, Teruhiko Sugimura, Junichi
米田健一,井上雅央,植木勧嗣,杉村輝彦,今川順一,高藤晃雄


日本農薬学会誌 31, 390-396 (2006) [抄録/PDF]

農薬散布による病害虫防除を効率的に行うためには,病害虫の発生状況を的確に把握することが重要である.そこで,病害虫探索作業に適した栽培条件を検討するため,作業性の向上により大きく重点を置いたカキの低面ネット栽培法と従来の立木栽培法において,モデル検証試験により探索作業性を比較調査した.試験区内の約3000葉中20葉の葉裏に丸形ラベルを貼付して探索目標とし,5名の被験者が探索作業を行った.その結果,枝を自由に動かせることおよび低樹高であることが効率的に病害虫探索作業を行うために重要であることが明らかとなった.また,それぞれの被験者が高齢視野再現ゴーグルを装着した場合において調査を行った結果,視野が狭くなる高齢者においては,枝葉がフレーム内に誘引されていて位置関係を把握しやすく,直線的な作業道が確保されている低面ネット栽培法のほうが効率的に探索作業を行えることが示唆された.


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