日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文31巻4号

Sensitivity monitoring of powdery mildew pathogens to cyflufenamid and the evaluation of resistance risk
各種作物うどんこ病菌のシフルフェナミドに対する感受性モニタリングと耐性菌リスク評価ム新規殺菌剤シフルフェナミドに関する研究(3)


Masahiro Haramoto, Hiroshi Hamamura, Shinsuke Sano, Friedrich G. Felsenstein, Hiroshi Otani
原本雅昇,濱村 洋,佐野愼亮,Friedrich G. Felsenstein,尾谷 浩


日本農薬学会誌 31, 397-404 (2006) [抄録/PDF]

各種植物うどんこ病菌の,新規殺菌剤シフルフェナミド(NF-149,パンチョ®)に対する感受性モニタリングを実施した.日本産コムギうどんこ病菌に対する平均EC50値は0.029 ppm(ポット法)であり,日本産キュウリうどんこ病菌では,平均EC50値は0.0019 ppmであった(リーフディスク法).またヨーロッパ産コムギうどんこ病菌では,0.0022 ppmから0.0111 ppm(2000-2004年)の間で推移し,ヨーロッパ産オオムギうどんこ病菌では,0.0249 ppmから0.0457 ppm(2000-2004年)の間で推移した(散布リーフセグメント法).いずれのうどんこ病菌でもEC50値の分布幅は狭く,低感受性株は見いだされなかった.コムギうどんこ病菌を用いて,ガラス温室および屋外圃場でシフルフェナミドによる連続淘汰試験を行ったが,シフルフェナミドに対する感受性に変化は認められなかった.他の市販薬剤に対して耐性のキュウリうどんこ病菌を用いて,シフルフェナミドとの交差耐性を検定した結果,いずれの耐性菌に対しても交差耐性は認められなかった.


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