日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文31巻4号

Herbicidal characteristics of MT-147, a novel glycol benzyl ether as a graminicide in paddy rice
新規グリコールベンジルエーテル系化合物MT-147の水稲イネ科雑草防除剤としての特性


Takeshi Kakimoto, Kangetsu Hirase, Fumiaki Koizumi, Kiyoshi Arai
垣元 剛,平瀬寒月,小泉文明,新井清司


日本農薬学会誌 31, 405-408 (2006) [抄録/PDF]

MT-147, (2R,3S,3aS,9bR)-2-ethyl-3-(2-fluorobenzyloxy)-6,7-methylenedioxy-3,3a,5,9b-tetrahydro-2H-furo[3,2-c][2]benzopyranの水稲におけるノビエ防除剤としての特性を調べた.MT-147は300 g a.i./haの薬量で発生前から2葉期までのノビエを完全に枯殺した.しかし葉齢がさらに進むと除草効果は低下し,3.5または4葉期のノビエにはわずかな活性しか示さなかった.MT-147の除草活性は水深には影響を受けなかったが,ノビエの播種深度にはわずかながら影響を受け,播種深度の深い方が効果の低下する傾向があった.移植水稲に対する薬害は基本的には見られなかったが,水稲苗を土壌表面に置床し,根部を水に暴露させた場合は生育阻害を生じた.これらの結果からMT-147は主に根から吸収されると推察された.また除草剤bromobutideはMT-147のノビエに対する除草効果を大幅に増加させた.以上の結果,MT-147はノビエに対して除草活性を有し,その活性はいくつかの要因によって変動するが,水稲用ノビエ防除剤としては優れた特性を示すことが明らかとなった.


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