日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文32巻2号

Insecticide resistance monitoring and evaluation in disease transmitting mosquitoes
病気伝搬性カ類についての殺虫剤抵抗性のモニタリングと評価


Michael Coleman, Janet Hemingway

日本農薬学会誌 32, 69-76 (2007) [抄録/PDF]

マラリアやデング熱の防除用殺虫剤に対して抵抗性カ類が発生することは,このような病気の媒介動物の管理においては大きな問題となる.昆虫の抵抗性には殺虫剤の作用点の変化や,エステラーゼ,グルタチオンS-トランスフェラーゼ,モノオキシゲナーゼなどが関与する代謝速度の変化のような,ある程度限られた種類の機構が関与している.1950年代以来,媒介動物における抵抗性発達についての指摘がなされてきたが,この問題の重大さについての報告はあまりなかった.媒介動物防除のための新規殺虫剤の開発は過去30年間には非常に少ない.これらの殺虫剤は適切な管理なしに使用されると有効性が失われてしまう.これは,風土病で悩む国々では安価な代替品が急には入手できないため,大変な問題となりうる.本解説では,殺虫剤の使用に基づいた病気の長期的な管理にとって重要となる殺虫剤抵抗性昆虫の評価と管理についてまとめる.(文責:編集事務局)


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