日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文32巻2号

Control efficacy of validamycin A against Fusarium wilt correlated with the severity of phytotoxic necrosis formed on tomato tissues
バリダマイシンAのトマト萎凋病防除効果はトマトへの薬害(壊死斑)誘導活性と相関する


Ryo Ishikawa, Kentaro Shirouzu, Hideo Nakashita, Tohru Teraoka, Tsutomu Arie
石川 亮,白水健太郎,仲下英雄,寺岡 徹,有江 力


日本農薬学会誌 32, 83-88 (2007) [抄録/PDF]

20品種のトマトを用いて,バリダマイシンA(VMA)散布有/無時の萎凋病発病程度(DS)と組織中に蓄積したサリチル酸(SA)量,およびVMA散布による薬害(壊死斑)程度(PT)の間の相関を調べた.PTとVMA散布有/無のSAの量間に正の相関が認められ,一方, VMA散布無でのSA量と散布無のDS,ならびにPTとVMA散布有/無でのDSとの間で負の相関がそれぞれ認められた.これらは,薬害の出やすい品種を用いて薬害の程度を指標にすることにより,SA蓄積を伴うプラントアクチベータを迅速に選抜できる可能性を示した.また,全身獲得抵抗性(SAR)の誘導程度は,品種のもつ遺伝的背景およびSAR遺伝子発現量に依存することが推察された.


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