日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文32巻2号

Isolation of an insecticidal compound oxalicine B from Penicillium sp. TAMA 71 and confirmation of its chemical structure by X-ray crystallographic analysis
糸状菌 Penicillium sp. TAMA 71 の生産する殺虫活性物質 Oxalicine B の単離とX線結晶構造解析による構造の確認


Masaki Abe, Tetsuya Imai, Naoki Ishii, Makio Usui, Toru Okuda, Toshikazu Oki
阿部正樹,今井哲弥,石井直樹,臼井牧夫,奥田 徹,沖 俊一


日本農薬学会誌 32, 124-127 (2007) [抄録/PDF]

モモアカアブラムシ(Myzus persicae)に対する殺虫活性を指標とし,糸状菌 Penicillium sp. TAMA 71より殺虫活性物質を単離した.X線結晶構造解析によりoxalicine Bと同定し,得られた構造とNMRデータとに矛盾がないことを確認した.また,既報の1H NMRデータの帰属に一部間違いを発見し,これを訂正した.さらに,本化合物の生物活性を調べることを目的とし,モモアカアブラムシを含む4種の害虫,1種のダニ,および2種の植物病原菌に対する殺虫殺菌活性試験を行った.モモアカアブラムシに対しては,100 ppm で82% の死虫率を示したが,それ以外では,ミカンキイロアザミウマ(Frankliniella occidentalis)に対して500 ppmで32% 死虫率と弱い摂食阻害性とを示した.


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