日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文32巻3号

Preliminary investigation of the disposition of the molluscicidal saponin deltonin from Balanites aegyptiaca in a snail species (Biomphalaria glabrata) and in mice
殺カタツムリ活性を有するバラニテス由来のサポニン化合物デルトニンのカタツムリおよびマウスにおける代謝


Leon Brimer, Sanaa Hassan ElSheikh, Peter Furu

日本農薬学会誌 32, 213-221 (2007) [抄録/PDF]

ハマビシ科植物バラニテスの種子には殺軟体動物性物質のサポニンであるデルトニンおよび25-イソデルトニンが等量含まれている.住血吸虫症ベクターであるヒラマキガイ科水生カタツムリおよびマウスに対するサポニンの特性を調べた.カタツムリには3H標識体を水溶液として与え,マウスには経口および静脈内投与を行った.化合物はカタツムリの体内に速やかに吸収され,脚および消化器官に高い濃度で分布した.すべての器官において放射活性は次第に減少した.マウスに経口投与したサポニンの一部は腸内で加水分解され,分解物は元の化合物とともに体内に吸収された.静脈内投与したサポニンは肝臓,腎臓,肺臓および脾臓に分布した.両化合物とも胎盤および中枢神経への移行はみられなかった.主な排泄経路は胆汁であり,尿中にも少量排泄された.排泄量は投与後72時間で約80%に及んだ.マウスにおける主要代謝物は2種であったが,カタツムリでは3種類であった.カタツムリに対する最終毒性物質および作用機構は不明である. (文責:編集事務局)


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