日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文32巻4号

Earthworm biomarkers of pesticide contamination: Current status and perspectives
農薬汚染バイオマーカーとしてのミミズ:現状と展望


Laura Rodríuez-Castellanos, Juan C. Sanchez-Hernandez

日本農薬学会誌 32, 360-371 (2007) [抄録/PDF]

ミミズ類は土壌の毒性試験における標準的な動物として用いられている.この動物は重金属による環境汚染の影響を評価するために広く用いられてきたが,農薬の毒性作用に関する知見は非常に少ない.汚染物質のバイオアベイラビリティや致死未満量の影響を評価するための一つの環境毒物学アプローチは,分子的あるいは生化学的バイオマーカーを用いることである.本稿ではさらに十分な研究が必要と考えられる問題点,すなわちミミズ類を農薬汚染のために使用するフィールド検査(例えばコリンエステラーゼ),農薬被曝用の新規バイオマーカーの開発(例えばカルボキシエステラーゼ),バイオマーカーの応答に対する環境的あるいは生物的妨害要因の影響,長期的な農薬被曝を評価するためにバイオマーカーを応用したアプローチの開発,および個体ならびに個体群レベルでの行動や繁殖のかく乱や混乱について調べるための新規バイオマーカー開発の必要性について解説する. (文責:編集委員会)


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