日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文32巻4号

Aerobic metabolism and adsorption of pyrethroid insecticide metofluthrin in soil
ピレスロイド系殺虫剤メトフルトリンの土壌代謝と吸着


Rika Kodaka, Yusuke Suzuki, Terumi Sugano, Toshiyuki Katagi
小高理香,鈴木祐介,菅野輝美,片木敏行


日本農薬学会誌 32, 393-401 (2007) [抄録/PDF]

家庭防疫用ピレスロイド系殺虫剤であるメトフルトリンの好気条件下における土壌代謝試験を2種類の米国土壌で実施したところ,その消失半減期は2.3〜3.5日と非常に速やかであり,幾何および光学異性化は認められなかった.主な分解経路はエステル結合の開裂に続く,酸側prop-1-enyl 側鎖の酸化によるジカルボン酸の生成ならびにベンゼン環の酸化によるテレフタル酸の生成であり,各代謝物は最終的に14CO2まで分解もしくは土壌残渣を形成した.メトフルトリンの主成分であるZ体の土壌吸着係数(Koc)を3種類のドイツ標準土壌を用いてバッチ平衡法により求めたところ,3553〜6124 ml/g o.c.であった.土壌分解半減期ならびに土壌Kocの値を用いたSCI-GROWプログラムの結果から,メトフルトリンは土壌中において速やかに分解するため地下水汚染の可能性は非常に低いことが示唆された.


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