日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文33巻2号

Potentiating and blocking actions of neonicotinoids on the response to acetylcholine of the neuronal α4β2 nicotinic acetylcholine receptor
アセチルコリンによって誘起されるα4β2 ニコチン性アセチルコリン受容体応答に対するネオニコチノイドの増強および抑制効果


Kayoko Toshima, Makoto Ihara, Satoshi Kanaoka, Kiyoshi Tarumoto, Atsushi Yamada, David B. Sattelle, Kazuhiko Matsuda
外島佳代子,伊原 誠,金岡怜志,樽本 潔,山田淳史,David. B. Sattelle,松田一彦


日本農薬学会誌 33, 146-151 (2008) [抄録/PDF]

ヒヨコα4β2 ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)のアセチルコリンへの応答に対するイミダクロプリド,クロチアニジンおよびチアクロプリドの効果を,二極膜電位固定法を用いて研究した.イミダクロプリドとクロチアニジンは,低濃度ではα4%beta;2 nAChRに対して応答を引き起こさなかったが,アセチルコリンと共処理したとき,アセチルコリンに対する受容体の応答を増強した.対照的に,チアクロプリドはアセチルコリンによって誘起されるα4β2 nAChRの応答を抑制した.イミダクロプリドのニトロ基をシアノ基に置換すると化合物は増強作用を失い,逆にチアクロプリドのシアノ基をニトロ基に置換すると化合物は増強作用を獲得した.アセチルコリンへのα4β2 nAChRの応答に対する作用が増強作用であろうと抑制作用であろうと,ネオニコチノイドはアセチルコリンに対する受容体の最大応答には影響を及ぼすことなく,アセチルコリンの濃度応答曲線を移動させた.


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