日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文33巻2号

7,11,13-Hexadecatrienal identified from female moths of the citrus leafminer as a new sex pheromone component: synthesis and field evaluation in Vietnam and Japan
ミカンコハモグリ雌成虫より性フェロモン成分として新たに同定された7,11,13-ヘキサデカトリエナールの合成およびベトナムと日本での野外誘引試験


Le Van Vang, MD. Azharul Islam, Nguyen Duc Do, Tran Van Hai, Shinji Koyano, Yoshiki Okahana, Nobuo Ohbayashi, Masanobu Yamamoto, Tetsu Ando
Le Van Vang,MD. Azharul Islam,Nguyen Duc Do,Tran Van Hai,小谷野伸二,花岡良樹,大林延夫,山本雅信,安藤 哲


日本農薬学会誌 33, 152-158 (2008) [抄録/PDF]

日本産のミカンコハモグリ(Phyllocnistis citrella,鱗翅目:ホソガ科)から同定された(Z,Z)-7,11-ヘキサデカジエナールに加えて,ブラジルとカルフォルニアの系統では(Z,E,E)-7,11,13-ヘキサデカトリエナールもフェロモン成分であることが見いだされた.そこでこのトリエナールと(Z,Z,E)-異性体を合成し,アジアに分布する系統に対して活性を調べた.ベトナムのミカン園では,ジエナールのみの誘引源では捕獲できない本種雄成虫が,(Z,Z,E)-トリエナールとの1:3の混合物に誘引された.一方,日本の圃場ではジエナールが十分な誘引活性を有しており,いずれのトリエナールも共力効果を示さず,添加はかえって誘引を阻害した.これらの試験結果から,ベトナム系統の性フェロモンはブラジル等のものと同一であるが,日本系統は海外のものと異なった交信システムを確立していることが明らかになった.


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