日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文33巻3号

群馬県で松林にスパウターを用いて散布されたアセタミプリド液剤の飛散状況ならびに健康影響評価

市川有二郎,盛山 充,本山直樹

日本農薬学会誌 33, 281-288 (2008) [PDF]

2004年,2005年に群馬県で松くい虫防除のためにマツグリーン液剤2R(有効成分アセタミプリド2%)がスパウターを用いて地上散布されたのに伴い,薬剤の飛散状況ならびに健康影響について調査を行った.アセタミプリドの気中濃度を測定した,いずれの場所でも検出限界以下か極微量検出されただけであり,周辺への飛散は起こっていないことを示唆した.さらに,追加調査として落下量測定を行い,散布区域内からは比較的多量の薬剤落下量が検出されたが,散布区域隣接地帯からは極微量検出された.太田市金山自然公園の落下量調査地点に,モモアカアブラムシを設置してバイオモニタリングを行ったところ,散布区域内では100%の死亡率が得られたのに対して,散布区域外では,隣接地点を含めていずれの地点でも影響は認められなかった.


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