日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文34巻1号

Chiral pesticides
キラルな農薬


Bhupinder Singh Sekhon

日本農薬学会誌 34, 1-12 (2009) [抄録/PDF]

農薬の対掌体は異なった速度で代謝されることが多い.また優先型キラル体は低薬量で高い効果が生じ,標的生物に対する特異性は高くなる.キラル体は環境における安全性,経費節減,高い特異性,長い特許有効期限などの長所も持つ.本報告ではキラル農薬の光学分割,不斉合成および生物触媒反応の最近の進歩について報告する.対掌体分離法としてはキラルカラムを用いたHPLCやGC,電気泳動などがある.不斉水素化反応も活発に用いられる.標的および非標的生物に対する生理作用には,立体的な選択性が見られる.環境における対掌体の分布および運命を正確に知るためには,両対掌体の特性を明確にする必要があり,それらの分離分析は農薬のリスク評価において重要なことである.標的生物に対して活性なキラル体だけを用いることは汚染物質の負荷を下げ,非標的生物に悪影響を及ぼさないので,活性体の使用は奨励されるべきことである. (文責:編集事務局)


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