日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文34巻1号

Quantitative relationship between insecticidal activity and Ca2+ pump stimulation by flubendiamide and its related compounds
フルベンジアミドおよびその類縁化合物によるカルシウムポンプ活性化作用と殺虫活性との相関


Takao Masaki, Noriaki Yasokawa, Shinsuke Fujioka, Kazuhiko Motoba, Masanori Tohnishi, Takashi Hirooka
正木隆男,八十川伯朗,藤岡伸祐,元場一彦,遠西正範,廣岡 卓


日本農薬学会誌 34, 37-42 (2009) [抄録/PDF]

フルベンジアミドはチョウ目害虫に対し卓越した活性を示す殺虫剤として,最初に開発されたベンゼンジカルボキサミド骨格を有する化合物である.これまでの研究から本化合物の殺虫活性はリアノジン感受性カルシウム放出チャネル(リアノジン受容体)の機能修飾により誘起されることが明らかとなっている.本研究ではリアノジン受容体と機能的に連関するカルシウムポンプに対する活性化作用が,化合物の殺虫活性と高い相関を示すことを明らかにし,本作用の殺虫活性発現における関与を強く示唆した.この結果は同時にカルシウムポンプ活性がリアノジン受容体活性測定における有用な指標となることを示唆し,カルシウム動態を標的とした新たな殺虫剤探索のための技術的基礎を提供するものと考えられた.


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