日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文34巻4号

Insecticide resistance of Culex pipiens (Diptera: Culicidae) in Turkey
トルコにおけるアカイエカ(双翅目:カ科)の殺虫剤抵抗性


M. M. Akiner, F. M. Simsek, S. S. Cagla

日本農薬学会誌 34, 259-264 (2009) [抄録/PDF]

トルコにおいて,殺虫剤の使用が,蚊を,特にアカイエカ(Culex pipiens)とハマダラカ(Anopheles maculipennis)群を,駆除する主な方法となっている.殺虫剤抵抗性がどのように蚊の防除プログラムの正否に影響するかをよりよく理解するため,4種類の殺幼虫剤(テメホス,フェンチオン,Bacillus thuringiensis israilensis(Bti)およびBacillus sphaericus(Bs))と4種類の殺成虫剤(DDT,マラチオン, デルタメトリンおよびペルメトリン)に対する7ケ所から採集された蚊種の殺虫剤抵抗性を調べた.殺成虫剤は,DDTを除き登録されており,いずれもトルコの蚊防除プログラムで非常によく使われている.Birecik種,Viransehir種,Mersin種,Ankara種および Antalya 種に,高いテメホス抵抗性が見つかった.また,Birecik種,Mersin種, Cankiri種および Antalya種にフェンチオン抵抗性が見つかった.ほかの殺幼虫剤(BtiBs)に対する抵抗性またはテメホスとフェンチオンに対する抵抗性種の抵抗性は10倍以下であった.すべての種において,DDTの診断用量に対する死亡率が低かった.Birecik種とViransehir種の死亡率は30%以下であった. その他の殺成虫剤の診断用量死亡率は大きく変動(マラチオンはAntalya種で65.8%,Birecik種で97.5%;デルタメトリンはHatay種で97.5%)したが,Ankara種とAntalya種は使用したすべての殺成虫剤に対して抵抗性を示した.その他の種はWHOの分類で要監視種目に分類されている.診断用量実験の結果では,トルコで過去30年間DDTは使用されていなかったにも関わらず,すべての群種にDDT抵抗性が存在することを明らかにした.我々の結果から,BtiBsが幼虫の駆除に有効であること,ペルメトリンとデルタメトリンは成虫の駆除に有効であることが示された. (文責:編集事務局)


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