日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文35巻3号

Genomic and phylogenetic analysis of insect carboxyl/cholinesterase genes
カルボキシル・コリンエステラーゼ遺伝子のゲノム解析および進化系統解析


Takuya Tsubota, Takahiro Shiotsuki
坪田拓也,塩月孝博


日本農薬学会誌 35, 310-314 (2010) [抄録/PDF/電子付録]

カルボキシル・コリンエステラーゼ(CCE)は昆虫の解毒に働く酵素である.最近のゲノム解読により,各昆虫は多くの遺伝子ファミリーを構成する網羅的な遺伝子の同定が可能になりつつある.今回我々は,7種のゲノムが解読された昆虫,およびその他の昆虫のCCE遺伝子について概説する.各昆虫は多数のCCE遺伝子をもっていることが明らかになり,現時点ではカイコが最も多くのCCE遺伝子をもっているとされている.進化系統解析では,種や目に特異的な系統樹クラスターが見つかったが,中には 1 : 1 なオーソログ関係にあるCCE 遺伝子もあった.このような情報は,今後の各CCE遺伝子の機能解析や,あるいは種特異的な農薬の開発に有用であろう.


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