日本農薬学会 Pesticide Science Society of Japan
HOME学会誌掲載論文35巻3号

Insecticide resistance through mutations in cholinesterases or carboxylesterases: data mining in the ESTHER database
コリンエステラーゼやカルボキシルエステラーゼの遺伝子変異による殺虫剤耐性: ESTHER データベースのデータマイニング


Thierry Hotelier, Vincent Negre, Pascale Marchot, Arnaud Chatonnet

日本農薬学会誌 35, 315-320 (2010) [抄録/PDF]

殺虫剤として使われている有機リン剤やカルバミン酸塩に対する節足動物の抵抗性は,主にカルボキシルエステラーゼやアセチルコリンエステラーゼファミリーをコードする遺伝子の変異に由来する.分子レベルで解明された変異には,24種の31遺伝子,アラインメントを行ったあとの32個の塩基部位におよぶ.このうち,7塩基は4種以上で確認されていて,それらは変異のホットスポットであると考えられた.1つの遺伝子変異はピレスロイドに対する交差耐性をもたらした.これらの変異に関する知見や関連情報は,標準またはカスタムクエリーを使って,ESTHER データベース(http://bioweb.ensam.inra.fr/esther)から入手できる.変異したアミノ酸残基を強調して,耐性に関連した酵素の配列アライメントを表示した.変異にかかわる一つのアミノ酸残基を選択すれば,それに関する全ての情報が得られるとともに,関連文献にもリンクされる.(文責:編集事務局)


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